September 01, 2005

コンテンツの持たざる経営

仕事で グルグルと矢風の状況を調べろと言われたので、
メモ程度に思い付きを残す、と.


FISTERAは、来たるべき破壊的技術として
2010年ごろに「コンテンツ」から「パッケージ」への価値シフトを示している.

既に、物財もサービスも コンシェルジュ の重要性を意識し、
まさに高い付加価値を生み出していると言えるだろう.
その意味で、 物財やサービスよりも混沌とする
(コピーが容易で トラフィック量が半端ないという意味でも、
 ネットによって個人が生み出した量が半端ないという意味でも)
情報コンテンツで、よりカスタマイズされ、コンシェルジュに成される
「パッケージ」の価値は重要に違いないわけだ.


日本のコンテンツに絡もうとする各社は
未だに「収集」する段階にあるのだろうが、
(日本人が ソフト価値に気づきにくいから、
 コアとなるコンテンツをはじめに多く持って、
 新規顧客の取り込みに必死になっているのは分かるが)
明らかにgoogleは、主なサービスは 他人の保有する「コンテンツ」への
よいパッケージ・コンシェルジュとしてのインターフェース提供なわけで、
価値シフトへの体制は いち早く整えられつつあるんだろうと感じる.

一方、もともと「ディレクトリ」文化で 伸びてきたYahoo!は
既に抱え込んでいるコンテンツが多い.
ただ、ここ最近のFlickr取得や ロボット検索へのシフトを見ても、
戦略の転換と捉えるべきだろうか.


現状の物財産業に立ち戻ってみれば、
これらの産業は 時代を経るにつれて分業化され、専門化され、
持たざる経営が一般的になった.
コンテンツを取り巻く産業においても、そうなるとすれば
 ・コンテンツを生み出す業者 (既存の物財でいえば 製造業)
 ・コンテンツを保管する業者 (トランクルーム業者、在庫保管業者)
 ・コンテンツを仕分ける業者 (ある意味 量販店か?)
果ては、
 ・コンテンツを届ける業者 (輸送業)
にまで分かれるのだろうか.
(まぁネットの特性として、そこまで分割しなくても
リスクも無ければコストもかからなかったりするので、
この分け方より より効率的な分け方になるだろうけど.)


結論としては、
 今後の参入は どの役割・どのレイヤーを担うか
 はっきりさせてから関わるべし

ってことかな.

投稿者 Rie KAWANO : 06:42 PM | コメント (1) | トラックバック (0)
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August 22, 2005

〈情報〉が愛すべき〈作品〉になる場合

ああ、素晴らしすぎる.

元ソニー、現247musicでソニーコンピュータエンタテイメントの丸山茂雄氏が、
mF247を立ち上げた.
という話は、WBSで見てだいぶ前に知っていたのだが、
ここ数日blogが壊れてたお陰で、遅いレビュー.

いやー、たまらん.
彼の話は いつも(表面・話し方の迫力とは乖離して)とても緻密.
「いつも」というのは、これまで何回かテレビのインタビューを見てたのと、
会社の入社式での講話で 直接話を聞いていたから.
あの時も、表示していたスライドは、なんとも論理的な内容であった.
話してた内容は「お前らなー」の呼びかけから始まるすごい迫力だが...

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投稿者 Rie KAWANO : 12:42 AM | コメント (4) | トラックバック (0)
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August 17, 2005

PCレスパケット送信 (単機能ネタ2)

電球が「私、切れました」送信


これはすごい.やっとできたか.

詳細は富士通の下記のページを↓、、、といいながらまだわからん.
もう少し詳しく知りたいところだ.
ネットワーク接続の簡略化を目指す次世代インターネット実証実験を実施

こうやって、多機能機器であるPCから離れて、ネットワークの恩恵を受けられる
単機能・少機能 技術・商品が出てくれば出てくるほど、
マジョリティに理解しやすく、受け入れられやすく、普及できるようになるだろうな.

投稿者 Rie KAWANO : 06:44 PM | コメント (0) | トラックバック (0)
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August 04, 2005

「情報」の価格設定、マージンの正常均衡点として

iTMSが日本にも上陸しましたね.
たくさんのニュースやblogがこのネタを今日は取り上げているだろうけれど、
ここ数日 AppleのiTunes周辺のやりくりを調べていた者として、
僭越ながら感じることを少々.


iTMSは儲かっているのか?

そういう問いに対して、ちょっとぐぐるだけで
「トントン」とか「わずかながら黒字に」なんて文句が検索されると思う.

それとともに、
「iTMSがiPodの売り上げを引き上げている」
という文句も目に留まるだろう.


この記事を見てほしいのだがiPod shuffleは3-4割の利益率を誇っているとのこと.
まー、前回 あんな記事を書いちゃったわけだが(笑)、
そのままズバリの原価率ですね.
(SamsungにOEMで出してるから情報が漏れたのかしらって 噂)

そりゃ、数が出るほど儲かってしゃーないわけだ.


で、次に iTMSの収益構造がどうなっているのか、ということ.
なかなか情報は出てこなかったんだけど、
最終的に行き着いた情報がここ


99セントの内訳

レーベルへ62セント
製作者へ8セント
ビジネスコストで26セント
残り利益が3セント・・・ってところなのか.

iTMS.gif


ここのビジネスコストに どこまでの費用が入っていくのか解からないけれど、
3%の利益は妥当なマージンか?と言われると ちょっと厳しいよな.
その分 4割も取れるiPodで稼いでますから・・・って言われるとそうなんだけど.


いやいや、それじゃ話は終わらない.


iPodとiTMS、及びiTunesというソフトも含めて「Apple's Music Business」と言ってしまえばそれまで.
ビジネス主体としてはそうやって補完的にでも 利益が出せるなら素晴らしいこと.
うまく 増幅効果を起こす点を押さえているわけだが、

iPodの余剰利益を iTMSに流して援助してるんだよね.
援助までは言いすぎだけど、iPodの広告塔として 広告費を払っているみたいなもんかと.

これって、単体(音楽自体とソフト自体とハード自体)を売っている会社から考えると
裕福な企業が、「消費者のためだ!」と言い切って、
原価割れの値段で商品を出して、マーケットをぶっ壊すのと
二アリーイコールに感じる企業も居るだろうな.


そう考えると、
 取るべきマージンの率ってのは、
 単純に (他の同じ商品があると仮定すれば)
 そのものの付加価値度・消費者満足度の比 だけじゃなくて、
 それが影響を与える先の価値分も指標に入れるわけで、
 どのくらいの割合でそれぞれを振るのか とかって、
 また商品の種類によって違うんだろうけど・・・
って無限ループに入るところだった ( ゚д゚)ハッ!


いやとりあえずだ、同じものを売ったとき
正常に市場が機能をする価格設定
ってのは必要なんじゃないかなって思うわけ.

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投稿者 Rie KAWANO : 11:40 PM | コメント (0) | トラックバック (0)
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