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November 10, 2004

スポーツNPOの担うべき役割と置かれている位置

たまたま、大学でこのことについて話す機会があるため、
頭の中でまとめる と言うついでに、ここにも書いてみようかと思う.

そもそも、私がこのNPOを作ろうと思ったのは、
「NPOを作ろう」と思ったのが先なのではなく(当たり前だけど)、
「したいことにNPOと言う形式が都合よかった」ということを解ってほしいと思う.
  ・自分が学生であること
  ・日本スポーツ界が 金銭感覚を持ち込まない風潮があること
  ・したいことが「問題点への穴埋め」であること
という3点を考えて、NPOの形が楽であった.

(私の個人的な)理想は、スポーツをもっと良くしたい と言うことだが、
きっかけとなったのは 自由に情報のやり取りが出来ない環境.
しかしその根底には、スポーツ(特にソフト面)の経済的価値の低さ、と言うよりその指標があまり無いことも有るだろう.
それを考えると、「情報マッチング」は必須事項.そこに、対応する金銭価値は付加させていくも必要.
そして、それだけでは物足りない.それを支えるために「窓口拡大プロジェクト」「勉強会プロジェクト」などが在る.


ここでよくあるNPOの見落としがちな点をまとめるとすれば、

■「あって嬉しいもの」が本当に 社会のためになっているのか?
  → いいモノは安く欲しい
    ただし、それをタダで提供してしまえば、その市場は育たない
    その提供者が無くなったとき、終わってしまう

■理想と今していることが離れすぎ、もしくはそれからの発展ステップが描けていない
  → NPOなどボランタリーな団体としてありがちなのは、「今出来ることからしてみよう」
    それが本当の理念や目標に結びついているのか 考える必要有り
    例えば、目標が「指導者の育成」なのに「交流イベントしかしていない」とか

■1つの問題が1つの原因からだけで、成り立っていないことに注意する
  → ひとつの理想があったとして、それを解決する方法を取る.
    一見 正論だが、それだけでない何らかの原因が無いのか、
    またそれが失敗したとき他の糸口を持っているのか
    何本もの伏線を張りながら 解決策を見出さないと、本当の理念追求は難しい


とまあ3つくらい上がるわけだが、比較的ボランティア団体や、サークル団体がNPO法人格を持つ例も少なくないため、
以上のようなことが戦略的に達成されているNPOと言うのは珍しいかもしれない.
また、NPO という名前で かなり「逃げ」ることもできるので、営利団体比べると 甘いのも否めないだろう.
実際、うちのNPOも自信を持ってすべてクリアしているかと言ったら あやしいものだし.
(理想と今実施していることは、能力的にも経済的にもコネクション的にも ベストだとは言い難い...)


一般的にNPOは、「提供していることが タダのおせっかいで本当は 受ける側が迷惑していないか?」などを問われるものだが、
スポーツNPOの場合は、先に挙げた3点の方が目立つのではないか、と近頃思うのだ.

そういう意味で、NPO・・・それは
  「市場の失敗」で開いた溝、
  「政府の失敗」で開いた溝、この隙間を埋めるものでは無かったか.
市場の挑戦有りき、政府の政策有りき、で存在するはずのNPOも、
このスポーツ界では 少し事情が違うのかもしれない.

(最終更新2002/11/22/Fri/08:13:46)

投稿者 Rie KAWANO : 05:00 AM | コメント (0) | トラックバック (0)
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