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2005年10月11日

個人認証・セキュリティは追記型へ

そういえば、
プログラミングの世界大会で優勝したことのある 偉大な大学時代の友達は
CCCDが出だした時にこんなことを言っていた.

「いくら頑張って暗号化したところで、
 暗号化できたものは、それを破ることだって出来るのは当たり前。」

<指摘されたので訂正>
 時間的・計算量的な安全性を考えず、論理的に「破ること」は
 アルゴリズムと処理能力さえあれば可能.
 もちろん、暗号化以外のところでのセキュリティの脆弱性によって
 そもそも弱いのは 様々なところで指摘されているとおり

以前から個人認証の技術発展の有り方って 歪んでるなぁと感じてきたのだけど、
今日の日経産業新聞に 「ネットワーク監視ソフト(2面)」と「記憶を基に本人認証(13面)」という
2つの記事が出ていたので、これに言及.

13面の記事は、小見出しだけ見ると 私が想像してたものかと思って
ワクワクしたのだが、まだまだ期待外れだった.


まぁ、一言で言えば
 ・暗号化によるセキュリティ技術は、タイムラグを作るに過ぎない
ということであり、
 ・そもそもの「個人認証」という現象に立ち戻れ
ということ.

前者は、冒頭のプログラマーの言葉然り.
後者は、デジタル化が進んでいなかった時代にどういう個人認証をしていたか、
もう一度 時代を遡って人間の根源的な「判断」に戻るべきだ ということ.

つい最近まで 随分と長い時代、
個人認証が「印鑑」「証明書」など 照合によって成されていたことで、
人々の「認証」概念が 照合に偏りすぎている気がするのだ.
印鑑や証明書などに頼るようになるよりも以前は、その個人を特定することが
 「積み重ね」「体験の上書き」「ルーツ」
などで成されていたはず.
(こう書いても なんかしっくりこないな.語彙・表現力のない私.)

具体的なアイデアとして言えば、
 例えば、銀行のATMでお金を下ろすときに 今は「暗証番号」と「カード」を使っているわけだが
 こういうのって、履歴が残っていくはずなのだ.
 記憶容量が小さく、処理能力が低かった時代には 一対一対応のマッチングしか出来ないからこそ、
 こんなヤワな認証しかできなかったわけだが、
 それが改善された今は、
 「過去の取引履歴」など その人自身が積み重ねていく行為そのもので認証も可能になるはずである.

だって人間って、
 人を認識する時、更に良く知るとき、性格を確認する時、人を理解する時って
 「積み重ね」で成り立っていると思わない?
 ―――1年前 チョコレートばかり食べてた友達は、今チーズケーキを食べてる・・・
     好みはちょっと変わってきたみたいだけど、甘いものはやっぱりすきなのね.
 とかさ.(やっぱり表現力ないな・・・)

2005年09月01日

コンテンツの持たざる経営

仕事で グルグルと矢風の状況を調べろと言われたので、
メモ程度に思い付きを残す、と.


FISTERAは、来たるべき破壊的技術として
2010年ごろに「コンテンツ」から「パッケージ」への価値シフトを示している.

既に、物財もサービスも コンシェルジュ の重要性を意識し、
まさに高い付加価値を生み出していると言えるだろう.
その意味で、 物財やサービスよりも混沌とする
(コピーが容易で トラフィック量が半端ないという意味でも、
 ネットによって個人が生み出した量が半端ないという意味でも)
情報コンテンツで、よりカスタマイズされ、コンシェルジュに成される
「パッケージ」の価値は重要に違いないわけだ.


日本のコンテンツに絡もうとする各社は
未だに「収集」する段階にあるのだろうが、
(日本人が ソフト価値に気づきにくいから、
 コアとなるコンテンツをはじめに多く持って、
 新規顧客の取り込みに必死になっているのは分かるが)
明らかにgoogleは、主なサービスは 他人の保有する「コンテンツ」への
よいパッケージ・コンシェルジュとしてのインターフェース提供なわけで、
価値シフトへの体制は いち早く整えられつつあるんだろうと感じる.

一方、もともと「ディレクトリ」文化で 伸びてきたYahoo!は
既に抱え込んでいるコンテンツが多い.
ただ、ここ最近のFlickr取得や ロボット検索へのシフトを見ても、
戦略の転換と捉えるべきだろうか.


現状の物財産業に立ち戻ってみれば、
これらの産業は 時代を経るにつれて分業化され、専門化され、
持たざる経営が一般的になった.
コンテンツを取り巻く産業においても、そうなるとすれば
 ・コンテンツを生み出す業者 (既存の物財でいえば 製造業)
 ・コンテンツを保管する業者 (トランクルーム業者、在庫保管業者)
 ・コンテンツを仕分ける業者 (ある意味 量販店か?)
果ては、
 ・コンテンツを届ける業者 (輸送業)
にまで分かれるのだろうか.
(まぁネットの特性として、そこまで分割しなくても
リスクも無ければコストもかからなかったりするので、
この分け方より より効率的な分け方になるだろうけど.)


結論としては、
 今後の参入は どの役割・どのレイヤーを担うか
 はっきりさせてから関わるべし

ってことかな.